21世紀国際法学術叢書 (6) 国際環境法における通報協議義務

• 略語一覧
• 序 本書の目的と構成
  • 1 本書の主題
  • 2 先行研究との関連
  • 3 問題関心
  • 4 研究の目的
  • 5 本書の構成
• 第1章 国際環境損害の防止義務の内容
  • 第1節 国際河川汚染に関する実体法規
    • 1 国際河川の水利用に関する条約
    • 2 国際河川の水利用に関する国際判例
    • 3 国際河川の水利用に関する国家実行
    • 4 国際河川の水利用に関する国際団体および国際会議の決議
    • 5 国際河川の水利用に関する国際法上の実体法規の内容
  • 第2節 越境大気汚染に関する実体法規
    • 1 トレイル熔鉱所事件仲裁裁判判決
    • 2 トレイル判決の特徴
    • 3 トレイル判決の国際判例としての意義
  • 第3節 国際環境損害の防止義務と領域管理責任の原則
    • 1 越境汚染の防止に関する学説
    • 2 国家の領域管理責任とその慣習法としての性格
• 第2章 国際環境損害の防止義務の限界
  • 第1節 環境損害の重大性
    • 1 損害発生の要件性
    • 2 環境損害必要論の検討
    • 3 重大性の基準の適用 82
  • 第2節 国家の「相当な注意」
    • 1 客観責任主義と過失責任主義
    • 2 国際判例および国家実行における「相当な注意」義務
    • 3 「相当な注意」義務の内容
    • 4 非合理性の認定
• 第3章 通報協議義務の必要性
  • 第1節 国際環境損害防止の必要性
    • 1 国際裁判における請求に関する国際法上の限界
    • 2 国際法の回避
    • 3 事後救済の限界
  • 第2節 通報協議義務の必要性
    • 1 国際環境保全の法的手法
    • 2 通報協議の必要性
• 第4章 通報協議義務の成立基盤
  • 第1節 通報協議義務に関する国際判例
    • 1 コルフ海峡事件ICJ判決
    • 2 ラヌー湖事件仲裁裁判判決
  • 第2節 通報協議義務に関する国家実行
    • 1 国連ストックホルム人間環境会議・宣言
    • 2 ストックホルム会議に関連する国連総会決議
• 第5章 通報協議義務の発展――多数国間条約を中心に
  • 第1節 国際河川汚染
    • 1 1960年 インダス水域条約
    • 2 1960年 ボーデン湖汚染防止条約
    • 3 1964年 ニアミイ協定
    • 4 1978年 米国・カナダ五大湖水質協定
    • 5 国連ストックホルム人間環境会議
    • 6 国際河川汚染保護欧州条約草案
    • 7 1990年代の多数国間条約
  • 第2節 越境大気汚染
    • 1 1980年 米国・カナダ越境大気汚染メモランダム
    • 2 1991年 米国・カナダ大気質協定
  • 第3節 海洋汚染
    • 1 国連海洋法条約と初期の特定海域条約
    • 2 UNEP主導型の特定海域条約
  • 第4節 放射能汚染――1986年IAEA原子力事故早期通報条約
    • 1 条約成立の経緯
    • 2 条約規定の内容
    • 3 条約内容の検討
  • 第5節 環境汚染一般――1974年北欧環境保護条約
    • 1 条約の基本構造
    • 2 条約の内容
• 第6章 通報協議義務の機能的限界
  • 第1節 機能的限界に関する前提的考察
    • 1 一連の手続としての通報協議義務
    • 2 一般的な情報交換
  • 第2節 通報義務の機能的限界
    • 1 計画された活動の事前通報
    • 2 環境影響評価
    • 3 緊急事態における早期通報
  • 第3節 協議義務の機能的限界
    • 1 1979年 長距離越境大気汚染条約における協議
    • 2 協議規定の機能
• 第7章 通報協議義務違反と事後賠償責任
  • 第1節 国際河川汚染――1966年 ILAヘルシンキ規則
    • 1 基本原則
    • 2 汚染の防止義務と義務違反の効果
    • 3 実体的義務について
    • 4 手続的義務について
    • 5 紛争回避に関する手続法規について
    • 6 1961年 IDIザルツブルク決議との比較
  • 第2節 越境大気汚染――1979年 長距離越境大気汚染条約
    • 1 実体法規
    • 2 手続法規
    • 3 実体と手続きの関係
    • 4 責任に関する実体法規を含まない条約規定およびその注意基準の意味
  • 第3節 国際公域の汚染
    • 1 公海の汚染――1958年 公海条約
    • 2 宇宙空間の汚染――1967年 宇宙条約
• 結 語 通報協議義務の意義
  • 1 通報協議義務の位置づけ
  • 2 通報協議義務の意義
• 主要参考文献
• 索引

一之瀬 高博 (いちのせ・たかひろ)

[略歴]

• 1956年 長野県諏訪に生まれる
• 1980年 北海道大学法学部卒業
• 1991年 北海道大学大学院環境科学研究科博士課程修了、博士 (環境科学)
• 佐賀大学経済学部講師、助教授、獨協大学法学部助教授を経て、現在、獨協大学法学部教授

[主要業績]

• 『国際環境事件案内』 (共著、信山社、2001年)
• 『地球環境条約集第4版』(共編、中央法規、2003年)
• 『みぢかな国際法入門』(共著、不磨書房、2004年)