北東アジア事典

環日本海学会 編

国際関係、安全保障、共同体秩序論、朝鮮半島をめぐる課題、歴史問題とその清算、日本外交、学術交流、局地経済圏構想、市場経済化と移行経済、人の移動と移民集団、文化、スポーツ交流など現代北東アジアが一望できる。 (2006.10)

定価 (本体3,000円 + 税)

ISBN978-4-87791-164-5 C3031 324頁

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目次

著者紹介

執筆者リスト

(50音順: 韓国・朝鮮の人名については原音読みで配列した。)

(執筆者の所属名については、専任の場合は所属機関名(大学の場合は所属学部まで)で明記し、名誉教授については(名誉)、客員教授、客員研究員、外来研究員にはそれぞれ(客教)(客研)(外)、そして大学の非常勤講師には大学名のあとに(非)、大学院生には(院)と示した。

まえがき

はしがき

2004年10月の東洋大学で開催された本学会理事会および総会において「10周年記念出版事業」が承認されて以後、編集委員会の取りまとめの手伝いを委嘱され、こんにちにいたるまで7回にわたって諸編集委員会の中心となって編集作業をすすめてきた。

この間、編集基本方針の策定、執筆項目の確認と調整、執筆者への協力要請等さまざまな課題にくわえて、国際環境の激しい変化にさらされているこの研究対象地域の変化をビビッドに反映させるべく試行錯誤を繰り返しながら、網羅的な項目に追加と修正に全力を傾注して編集に取り組んできた。ここにようやく公刊の運びとなったことで編集委員の責務を無事に果たすことができることはなによりの喜びである。

本事典は、250におよぶ項目と、学会員を中心とする総勢109名の執筆者の協力をえて編纂されたものであり、学会の総力を結集したひとつの成果であるといえるであろう。

また、このような他に類をみない本事典は、なによりも環日本海研究分野の多様性や学際的な領域からなることを明らかに示しており、本学会の国際性、越境性、学際性、多文化性をいかんなく発揮している内容となっている。

本事典の出版にあたって、編者らの執筆依頼にこころよくお引き受けいただいた執筆者の方々の御協力にたいし、改めて心からの御礼を申し上げたい。

さらに、環日本海にかかわる諸地域の営みが平和で、持続可能な豊かさを享受し、深まりと広がりをもった知的な文化共同体に資するものとなるよう願い込めて、出版事業基金に多くの方々が御寄付いただいたことも明記していきたい。

かくも多方面にわたる方々からの御支援に支えられて本事典が公刊されたことで、今後さらに学会が研究内容においても研究交流においても深化と期待に展望を開きながら、さらなる学会の発展に期したいものである。

最後に、本事典の編集に関わっていただいた編集委員各位に敬意と感謝を申し述べておきたい。また、公刊にさいして尽力いただいた国際書院の石井彰社長に厚く御礼を申し上げたい。

2006年7月22日

10周年記念出版事業編集委員会を代表して

佐藤幸男

出版にあたって

環日本海学会会長 林堅太郎

学会の設立10周年記念事業として、本書を公刊する運びとなった。この間、会員の総力を集めて、このように立派な事典が編纂されたことに対し、あらためて敬意と感謝の気持ちを表明させていただきたい。

言うまでもなく、環日本海研究は、特定のディシプリンでは解き明かすことの困難な、総合的な研究対象であり、さまざまな分野の研究者による学際的な協力、共同を必要とする。しかも、日本海を共通の海とするこの国際地域は、国際政治学・国際関係論や経済学にとっても、社会学や文化研究にとっても、さらには歴史学や、環境論・生態学にとっても、いずれも研究上の関心を強く持たせないではおかない対象地域であり、そしてまた、こうした諸科学の共同によって解決しなければならない課題が山積している地域でもある。

学会に所属する多くの研究者は、80年代以降のポスト冷戦によるグローバルな環境変化を踏まえて、この環日本海国際地域の研究に一種の社会的使命感をもちながら地道に取り組んでこられた。環日本海学会は、こうした研究者が待ち望んだ、そして生き生きと研究を進めることが出来る、協働の学術組織である。しかも会員は日本の研究者に限定されていないし、韓国東北アジア経済学会との連携も持っており、じつにオープンかつ国際的に情報の共有と研究協力を進めている。また環日本海国際地域の研究と言っても、この地域に極限されずにグローバルな視野を常に持っているのも、この学会の特質と言えよう。

そして環日本海国際地域は、地域社会や自然・文化の多様性を認識し、交流の普遍性を実感できる対象地域でもある。学会活動や研究交流をつうじて、つまり知的社会基盤の活性化をつうじて、この地域が、この地域の人々の営みが、平和で豊かな、サスティナブルなものになることを希求している文化的な知的共同体が環日本海学会の持ち味でもある。

今、環日本海学会は、この名称を変更すべきかどうかについて、学会内での討議を進めている。その背景には、学会における研究対象の変化がある。そして学会の成果として研究活動に広がりと深まりが生まれていることがある。しかし、その帰趨がどうであれ、本学会が特質として持っている、この学際性、国際性、文化性は強まりこそすれ、見失われることは考えられない。

再度の強調になるが、本事典は、こうした学会の成果であり、一里塚である。多くの読者が、この事典をつうじて、環日本海国際地域に関心を強められ、環日本海研究に理解と関心をお持ちいただければ幸いである。

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