ラテン文学における文学的モチーフとしてのfides

宮坂真依子
書影『ラテン文学における文学的モチーフとしてのfides』

古代ローマにおけるfides(信義、信用、信頼性、誠実、忠義、約束、誓約)という概念の重要性を、古代ローマの文学作品をとおして分析・考察し、作品を理解するうえで寄与することを目的とした研究書である。(2026.5.10)

定価 (本体6,000円 + 税)

ISBN978-4-87791-339-7 C3036 275頁

目次

    • 凡例
    • 初出について
    • 序章
      • 1 本研究の目的とアプローチ
      • 2 本研究の対象
      • 3 本研究の構成
  • 第I部
    • 第1章 シーリウス・イタリクス『ポエニー戦争の歌』第6歌におけるfides
      • 1 キケローが『義務について』で述べるfides
      • 2 『ポエニー戦争の歌』第6歌においてレーグルスの体現するfides ──ローマ人の考える理想像としてのfides
      • 3 マルキアによるレーグルスのfidesへの非難
      • 4 第1章のまとめ
    • 第2章 ウェルギリウス『アエネーイス』におけるfides
      • 1 叙事詩の伝統と『アエネーイス』に登場するfides
      • 2 第4歌におけるfides ──重層的な関係性とfides
      • 3 第8歌におけるfides ──主客・盟約関係とfides
      • 4 第2章のまとめ
  • 第II部
    • 第3章 カトゥッルス『詩集』第64歌におけるfides
      • 1 カトゥッルス『詩集』の想定される読者層と第64歌の特徴
      • 2 「迷宮」と「糸」 ──詩人によるメタ文学的な挑戦──
      • 3 第64歌におけるfides ──神々のfidesと人間のfides
      • 4 第3章のまとめ
    • 第4章 プラウトゥスの喜劇におけるfides
      • 1 プラウトゥスの喜劇の特徴
      • 2 『綱引き』に登場するlenoのfides ──クリエンテーラ関係におけるfides
      • 3 『ほらふき兵士』に登場する「賢い奴隷」のfides ──主従関係におけるfides その1
      • 4 『捕虜』に登場する幼馴染の主従間のfides ──主従関係におけるfides その2
      • 5 第4章のまとめ
    • 終章
    • 付録
      • 1 カトゥッルス 『詩集』第64歌の試訳
      • 2 表1:カトゥッルス『詩集』第64歌の全体構造
      • 3 表2:挿話1(緋紫色の覆いのエクフラシス)内の構造
    • 補遺 fidesの語義理解と主要な学説
      • 1 Fraenkel によるfides理解
      • 2 Heinze および Hellegouarc'h による fides 理解
      • 3 Benveniste、Freyburger、Morgan による fides 理解
    • あとがき
    • 参考文献一覧
    • 索引

著者紹介

宮坂真依子

早稲田大学法学部卒、同法学研究科修了(民事訴訟法学)。東京大学文学部卒(西洋古典学)、京都大学文学研究科博士前期課程修了、同博士後期課程指導認定退学(西洋古典学)。ロータリー財団国際親善奨学金でブリストル大学へ留学、MA修了(Classics and Ancient History)。2024年3月博士号取得(文学・京都大学)。現在、早稲田大学、中央大学他の教育機関において、古典文学や古典語の教鞭を取る。

まえがき

序章

1 本研究の目的とアプローチ

本書は、古代ローマ社会において重要であると考えられてきた fides という概念(「信義」「信用」「信頼性」「誠実」「忠義」「約束」「誓約」等)に着目し、ラテン文学作品(とりわけ韻文作品)においてそれが用いられるあり方を観察する。具体的には、作品中に現れる fides およびその派生語の用法を、個々の文脈に即して精査し、それらが文学的モチーフとして作品の主題や物語構造にいかなる効果を及ぼしているかを明らかにすることを目的とする。

fides そのものの重要性は、古来さまざまな作家が述べており、歴史的資料からも裏づけられる。たとえば共和政末期の知識人キケローは『友情について』(de Amicitia)において、「われわれが友情に求める安定性と不変性の基礎となるのは fides である。」と述べている。

その一方で、『義務について』(de Officiis、以下 Off. と略す)では、徳性が存する状態(quod est honestum)に必要な四つの事柄の一つとして fides が位置づけられている。すなわち、最も広い理念としての「人間社会相互の連帯、すなわち人生の共同体ともいうべきものを維持する」ために必要なものとして、正義(iustitia)と善意(beneficentia)を挙げた上で、「正義の基盤は fides である。すなわち、言葉に述べたことと合意したことに関する節操と真実である」と述べられる。さらに同書の別の箇所では、「誓約に背いたものは女神 Fides に背いている。この女神こそは、カトーの演説にもあるように、われわれの祖先がカピトーリウム丘でユッピテル至高至善神と並んであることを望んだ女神である」と述べられており、都市ローマの中心に位置するカピトーリウムの丘には、最高神ユッピテルの神殿と並んで fides を擬人化した女神 Fides の神殿が建てられていたことが知られている。さらに帝政期に入ると、皇帝たちによって女神 Fides をモチーフとした貨幣が多数鋳造されたことも、考古学的資料から明らかとなっている。このように、fides が古代ローマ社会において多方面から重要視されていたことは疑いない。

他方で、fides の重要性は先行研究によっても明らかにされてきた。とりわけ、fides という概念そのものを理解しようとする近代的研究の端緒は、Fraenkel (1916) による論考に求められる。その後、法律学・政治学・歴史学・宗教学・言語学・考古学など、さまざまな学問領域から多くの研究者がその解明に取り組んできた。研究の進展とともに、fides 概念の歴史的変遷や使用領域の広がりが明らかになる一方、その複雑性ゆえに生じる誤解や整理上の困難も指摘されてきた。

こうした従来の研究に共通する特徴として、古代ローマ社会における多様な場面(国際政治や戦争、国内政治、宗教、裁判、教育、娯楽等)において用いられる fides という語の概念そのものを、広く検討対象としてきた点が挙げられる。これらの研究は、「fides 概念の全体的な見取り図」を描き出すことを目的とし、さまざまな種類の文献・史料に現れる fides を網羅的に抽出・分類することによって、当時の人々がそれをどのように理解していたのかを明らかにしようとしたものである。すなわち、fides という抽象的概念の核となる意味を見出し、それを当てはめ、応用することによって語の全体像を把握しようとする、鳥瞰的視点からの語義研究であったと言える。

確かに、ある語の意味する概念の全体像を捉えるためには、こうした網羅的研究は不可欠であり、その点では既存の先行研究によって一定の成果がすでに達成されていると言ってよいだろう。しかし一方で、膨大な事例を対象として fides の全体像を描き出そうとする総論的研究には、類型的な用例が同様のものとして一括して扱われたり、個々の事例に対する精密な検証が後回しにされたり、あるいは曖昧な事例が曖昧なまま残されてしまう可能性があるという問題も内在している。

こうした点を踏まえ、本書では fides を研究対象としつつ、従来の包括的研究とは逆方向の、すなわち個別的・各論的なアプローチを試みる。fides の全体的理解や語義そのものについては、先行研究によって積み重ねられてきた議論を前提とした上で、ジャンル・作家・作品を絞り込み、ある作品において fides がその主題と重要な関わりを持つと考えられるものを取り上げる。そして、その作品の各箇所において fides がいかなる意味を担っているのかを確認するとともに、fides が作品の面白みを付加する装置、すなわち文学的モチーフとして用いられている様相に注目する。

本書が想定する「文学的モチーフとしての fides」には、大きく二つの位相がある。第一に、物語叙述の内部で用いられる fides である。これは作家が構築する物語世界の中で、登場人物同士の関係を支える基盤として現れ、関係の推移、当事者が交換・期待する権利と義務、その結果として生じる効果を、作品の主題との関係で分析する対象となる。

第二に、作品を先行文学の系譜やジャンルの常套という広い文脈の中に位置づけたときに現れる、作家と読者・観客との間の fides である。この fides はさらに二つに分けられる。(A)ジャンルに対して受け手が抱く期待に応えることに関する fides、(B)受け手を楽しませ、満足させることに関する fides、である。作家は常套を守ることで fides(A)を満たしうる一方、常套への過度な依存はマンネリズムを招くため、時に受け手の予想を良い意味で裏切ることで新たな効果を狙い、むしろ fides(B)をより強く満たす場合がある。作家はこのふたつの fides の間で均衡を取りつつ、作品を創出しているのである。

そして、作り手と受け手の間に存在する fides(B)は、個別の作品や、その作品が属するジャンルが、そもそもどのような形で公開され、どのような層が受け手として想定されているのかという点と、密接な関係を持っていると考えられる。

例えば、古代ギリシアにおいて、もともとは聞かれることを前提とする「口承文学」としてはじまった叙事詩が、古代ローマでは、初めから読まれることを前提とした「書承文学」へと変化した。それによって、想定される受け手や披露される「場」も違ってきた。さらに、読まれることを前提とした「書承文学」と、上演されることを前提とする「劇文学」とでは、想定される作品の受け手が異なり、それに応じて、どのような内容や効果が期待されるかも異なってくる。

いずれにせよ、作品の作り手は、通常、それぞれのジャンルにおける常套と呼ばれる約束事を守ることによって、受け手の持つ期待に応えたり、あるいは時に敢えてその期待を裏切ることによって、新たな効果を狙い、受け手を楽しませようとする。このような観点から、作品を取り巻く作り手と受け手の関係性、そしてそこに成立する fides(B)について考察を行うことが、本書における第二の、すなわちメタ文学的な視点からのアプローチ方法となる。

2 本研究の対象

各論としての作品解釈の集積とするにあたり、本書では研究対象となる作品を絞り込むための基準を設定する。その第一の基準として、文学ジャンルによって区切るという観点が挙げられる。古代ローマ社会には、ギリシア以来の伝統に基づき、多様なジャンルの文学作品が存在しており、各ジャンルは、それぞれ用いられる韻律、表現方法、描かれる内容、制作目的、想定される受け手などを異にしていた。すなわち、内容に応じてふさわしいジャンルが存在し、その方法に則って詩作を行うべきであるという、ギリシア以来の伝統的な考え方が共有されていたのである。

もちろん、ローマの詩人たちはギリシア文学を十分に咀嚼・摂取したうえで、その常套に挑戦し、あえて伝統的なジャンルの法則から逸脱したり、ジャンルを横断したりすることで新奇な作品の創作を目指した。そうした創意工夫こそが詩人の技量を測る指標ともなっていた。しかし、それでもなお、当時の詩人たちがジャンルという枠組みを強く意識していたこと自体に疑いはない。

では、どのジャンルを研究対象とするのか。本書が第一の判断基準とするのは、アリストテレースの『詩学』(περὶ ποιητικῆς)である。アリストテレースはその第一章において、叙事詩、悲劇、喜劇、ディテュランボスなどを挙げ、これらを総じて「ミーメーシス(μίμησις)」であると定義している。さらに第九章(1451a4–7)では、「詩人の仕事は、すでに起こったことを語ることではなく、起こりうることを、すなわち、ありそうな仕方で、あるいは必然的な仕方で起こる可能性のあることを語ることである」と述べ、歴史と詩の本質的差異を明確にしている。すなわち、詩作は人間の行為を普遍的な次元で再現する点において、歴史叙述とは異なる哲学的意義を持つとされる。

本書はこの考え方に従い、より普遍的に人間の行為とその葛藤を描き出す「詩」作品、すなわちラテン語韻文作品に研究対象を限定する。

第二の判断基準として本書が重視するのは、キケローの『義務について』(Off.) に示される fides 理解である。キケローは Off. I.23 において、fides を「言葉に述べたことと合意したことに関する節操と真実」であると定義する3。さらに fides の語源について、「言われたことがそのとおりに行われること (fieri)」に由来するという俗語源説を挙げ、その妥当性を認めている。すなわち、盟約や約束といった一度口にした言葉を履行することが fides の核心であり、それは人間の最も重要な徳性の一つである正義に深く関わるものと理解されている。

しかし、キケローは同書第三巻(92–95)において、「約束や協約はどのような場合でも必ず履行されるべきか」という問題をあえて提起し、条件次第では約束を守らなくてよい場合、あるいはむしろ守るべきではない場合が存在することを、神話という「物語」、すなわちミーメーシスを通して示している 。さらに続く箇所では、執政官レーグルスが自己の利益を犠牲にして国家の利益を優先し、敵との fides を守った行為を称揚している (Off. III.101–105)。

これらの議論から明らかなように、通常の社会生活において fides が守られ、円滑に機能している状態それ自体は、必ずしも物語化される必要のある事態ではない。むしろ、何らかの事情によって fides が損なわれる、あるいは互いに両立しえない複数の fides が同時に成立し、いずれかを選択せざるを得ない状況が生じたとき、そこに葛藤と問題が生まれる。こうした「fides の危機」は、社会秩序や人間関係の破綻、あるいは取り返しのつかない悲劇を招く可能性を孕み、文学作品の主題としてきわめて魅力的な素材となる。

実際、本書で扱う作品群においても、fides を媒介として構築された関係が危機に陥る場面、あるいは相容れない fides の間で究極の選択を迫られる状況が、物語展開の要所に設定されている。ある場合には問題が最終的に解消され、fides が回復される過程が描かれる一方で、別の場合には問題が解決されないまま悲劇的結末へと至ることもある。このような極端な状況を描き出す点にこそ、仮構としての文学表現の強みがあると考えられる。

以上の二つの基準から、本書では研究対象として、古代ローマの「詩」、すなわちラテン語韻文作品を取り上げる。その中でも特に、(1)作中において fides を媒介とする関係が危機に陥る作品、(2)同一人物が複数の fides の間で選択を迫られる作品、(3)ある種の fides 違反が提示され、それとの対比によって理想的な fides が浮かび上がる作品に着目する。

「fides の危機」に焦点を当てることによって、ある特定の関係において本来期待される fides とはいかなるものかが、より鮮明に浮かび上がるであろう。そして、そうした危機が作品の主題とどのように関わり、作家がそれをいかなる方法で解決するのか、あるいはあえて解決しないのかという点を分析することが、本書の中心的課題となる。

3 本研究の構成

本書では、第1章から第4章まで、4名の詩人とその作品にそれぞれ個別の章を当て、英雄叙事詩・小叙事詩・喜劇という3つのジャンルに属するラテン語韻文作品を取り上げる。各章においては、間テクスト性の観点も踏まえつつ、作品の物語叙述の中で用いられる fides が、いかなる文脈で現れ、作品の主題とどのように関わっているのかを分析する。また、想定される作品の受け手にも注目し、それが作品の表現や構成といかに結びついているのかについても考察を行う。

本書の全体構成は、第1章から第4章までを大きく第I部と第II部の二部に分ける形を取る。第I部では、二つの英雄叙事詩(第1章・第2章)を扱う。ここでは、ホメーロス以来の叙事詩の伝統や常套を前提とし、それを継承しつつも、時にそれに挑戦することで成立している、重厚で荘厳な雰囲気を持つ作品を取り上げる。

第1章では、ラテン文学の白銀期に活躍した詩人シーリウス・イタリクスの叙事詩『ポエニー戦争の歌』(Punica) を対象とする。特に第6歌に描かれる執政官マルクス・アティリウス・レーグルスの行為に注目し、ローマ人にとって理想的とされた fides の基準を明らかにする。本章では、キケローが Off. で取り上げるレーグルス像との比較を通じて、国家に対する fides を貫く行為が、どのような価値判断のもとで称揚されているのかを検討する。本作は、『アエネーイス』を範とし、叙事詩の伝統を強く意識しながらも、新たな解釈を加えることで独自性を打ち出そうとしている点に特徴がある。想定される受け手としては、文字による読書が可能な、学識ある読者層、いわゆる「分かる人」が考えられる。

第2章では、元首政初期、いわゆるラテン文学の黄金期に書かれた正統派英雄叙事詩である、ウェルギリウスの『アエネーイス』(Aeneis) を取り上げる。本章では、全12歌のうち特に二つの場面に焦点を当てて考察を行う。第一に、第1歌および第4歌を対象とし、主客関係から恋愛関係へと重層的な関係性を築きながら、最終的には敵対関係へと転じる男女間の fides を分析する。第二に、第8歌を中心に、第11歌・第12歌にも触れつつ、主客・盟約関係に関わる fides を検討する。本作はローマ建国という主題から、アウグストゥス体制下の政治的文脈とも深く関わり、広く世間に流布することが想定されていた可能性がある。一方で、実際の主要な受け手としては、第1章と同様に、文字によって詩を読むことのできた学識ある読者層が想定されると同時に、詩人の庇護者であったマエケーナース、さらには間接的な庇護者としてのアウグストゥスの存在も強く意識されていたと考えられる。

これに対して第II部では、第I部とは対照的に、比較的軽やかな語り口を持ち、作り手が受け手に対してより直接的に挑戦する姿勢が顕著に表れる小叙事詩(第3章)と喜劇(第4章)を扱う。ここでは、物語叙述の中で描かれる fides を分析するだけでなく、よりメタ文学的な視点から、作品の作り手である作家と、受け手である読者や観客との間に成立する fides にも注目する。

第3章では、共和政後期のローマにおいてラテン文学改革の先駆けとなった「新詩人 (neoterici)」グループに属する詩人カトゥッルスの『詩集』(Carmina) を対象とする。特に、挑戦的な構成を持つ第64歌の小叙事詩(エピュッリオン)を取り上げ、理想的な fides として提示される「神々の fides」と、それと対比される形で描かれる「人間の fides」について考察する。本作は、叙事詩の伝統や常套を強く意識しながらも、そこからの逸脱を通じて読者の期待を裏切ることを意図して創作された作品であり、学識ある内輪の読者を主な受け手として、文字で読まれることを前提として書かれていたと考えられる。この点において、本作は、第I部と第II部を接続する中間的な位置を占める作品として、第II部の冒頭に配置される。

第4章では、共和政中期にギリシア文学の影響を受けて成立し、民衆の間で高い人気を博した喜劇というジャンルを取り上げる。具体的には、喜劇作家プラウトゥスの作品の中から『綱引き』(Rudens)、『ほらふき兵士』(Miles Gloriosus)、『捕虜』(Captivi)の三作を選び、クリエンテーラ関係に関わる fides と、主従関係に関わる fides について考察を行う。喜劇は、第1章から第3章までで扱う作品とは大きく雰囲気を異にするジャンルであり、その人間関係の描き方や表現手法も大きく異なる。それゆえに、fides の描かれ方をジャンル横断的に比較する上でも、重要な位置を占めている。

プラウトゥスは、特にメタシアター的手法を多用し、観客を笑わせることを第一義的な目的として作品を創作した作家として知られている。従って、本章では、上演を前提とする喜劇という作品形態を踏まえ、観客との間に成立するメタ的な fides についても検討を行う。喜劇が想定していた受け手は、市井のあらゆる階層の人々であり、舞台という特定の空間で役者によって演じられる物語を、観客が視覚・聴覚を通じて同時的に体験するという点で、劇文学は他の文学形式とは大きく異なる性格を有している(注11参照)。

終章では、第1章から第4章までで扱った各作品を総括し、文学的モチーフとして用いられる fides が、ジャンルごとにどのような仕方で作品の主題と結びついているのかを明らかにし、その理由について考察する。なお、本書の分析が拠って立つ fides 理解の前提については、補遺において簡潔に整理している。最後に付録として、カトゥッルス『詩集』第64歌の詩作の緻密さを示すため、試訳および構造分析を表1(自然体の構造)、表2(挿話1の内部構造)として、巻末に付す。

  • 1 Cic. Am. 65: firmamentum autem stabilitatis constantiaeque est eius quam in amicitia quaerimus fides est; …本書で引用する『友情について』(Am.) の原文テクストは Falconer (1971) 版を用い、和訳は中務 (1999)の訳に従う。ただし和訳中では、議論の対象となる fides とその派生語部分にはあえて和訳を付さず、原語のまま記載することとする(fidesについては、本書全体を通じて同様の扱いをする)。
  • 2 Cic. Off. I. 20: societas hominum inter ipsos et vitae quasi communitas continetur; …本書で引用する『義務について』(Off.) の原文テクストは Miller (1968) 版を用い、和訳は高橋 (1999) の訳に従う。
  • 3 Cic. Off. I. 23: fundamentum autem est iustitiae fides, id est dictorum conventorumque constantia et veritas.
  • 4 Cic. Off. III. 104: Fidem...quam in Capitolio vicinam Iovis optimi...maximi, ut in Catonis oratione est, maiores nostri esse voluerunt. この女神の神殿については、高橋, p341注(2) 参照。その遺跡については、Freyburger (1986), Pl.XIV に、Ch. Hulsen によるカピトリウムの丘の Fides 女神の遺跡の予想図と解説参照。
  • 5 Freyburger は、Divus Fidius と呼ばれるユッピテルの属性の一つが、Fides 女神の「誓約の守護者」と「盟約(foedus)の守護者」という属性と同一視されていたという研究者たちの説について論じている(pp.283-298)。
  • 6 OCD, s.v. fides. 貨幣の図像例は Freyburger, Pl.XII, XIII, XVIII, XIX を参照。木戸口 (2016) は、古代ローマの帝政初期には、貨幣が公的なプロパガンダ的側面を持ち、図像や刻文によって支配者のイメージや声明を世に広める機能を有していたことを指摘している(p.22)。このことから、皇帝たちが自身の鋳造する貨幣に Fides 女神や文言を刻印するという行為自体が、fides の重要性を明示していると考えられる。
  • 7 fides 関連の網羅的な文献紹介は、Freyburger, pp.333-338 参照。fides 概念に関する基礎研究の一部として、TLL (Franekel, 1913), Fraenkel (1916), Heinze (1929), von Beseler (1934), Lemosse (1956), D'Agostino (1961), Hellegouarc'h (1963), Calderone (1964), Benveniste (1969), Boyancé (1972), Grimal (1974) がある。
  • 8 これは、個々の fides の事例を、それぞれ異なる文脈の中で、別個のものとして捉えていく Morgan の分析方法に近いものと言える。ただし、Morgan の研究は主としてキリスト教的文脈を対象とするものであり、本書とは問題設定の点で異なっている。
  • 9 もともと書かれた文字を目で追う読書という行為によって鑑賞されることが想定されている「書物」という作品形態では、自ずと作者の創作意図が変わってくることが想定される。読者は詩行に込められた、より複雑な構文や、美しい語の配列を目で見て理解することができるし、あらすじの中に挿入される回想シーンによって過去に遡るといった方法で、物語の複雑な構造を理解することができる。あらすじが少々入り組んで複雑になったとしても、前の部分に戻って読み返したり、同じ箇所を繰り返し読んで内容を吟味したりすることもできる。
  • 10 ジャンルの違いによる発表の「場」や約束事という概念にかんしては、逸身 (2018), p.8-18 参照。
  • 11 例えば「劇文学」というジャンルは、舞台上の役者が演じる動作だけでなく、舞台はそれ全体として観客の視覚・聴覚に訴えるものとして創作されているはずである。逆に観客は、劇場全体の様子を五感で感じることは意図されているが、台詞や舞台の様子を「文字で」理解することは想定されてはいない。さらに、一度始まれば、何があろうと途中で止めることはできず、決められた結末に向かって進行していくことが想定されている。特に古代の演劇は、「とある一日」の様子が描き出されるのが普通で、時間の流れが速くなったり遅くなったり、登場人物の回想シーンが入ったり、次の日以降の事柄が描かれたりすることはない。また、演劇はその場限りのものであり、同じ役者が同じ内容を演じたとしても、完全に同じ舞台を再現することはできない。舞台ではリアルな時の流れに従って一定方向にのみ時間が進行し、観客はその同じ時の流れを共有し、同時中継的に物事が推移するのを目撃することが想定されているのである。
  • 12 ホラーティウスは、『詩論』(Ars Poetica) において、ギリシア詩からの伝統を意識しながらも、ローマ特有の詩を含みながら、様々なジャンルの説明や詩作法などについて語っている。73-92 の箇所で、ジャンルの区別、それぞれの特性が説明されるが、特に「それぞれの役割にふさわしい場所が守られねばならない (singula quaeque locum teneant sortita decentem: 92)」という言葉でジャンルの区別の重要性が語られる。詳細は、高橋 (2017) の解説を参照。
  • 13 Arist. Poet. 1447a15. 松本・岡 (1997) の解説によれば、 ミーメーシス (μίμησις) という言葉は本来「模倣・模写」という意味であるが、アリストテレースは「より積極的な意味で使用している」(p.114 注 (8) と考え、基本的には「再現」という訳語をあてる方針を示している。具体的には、行為する人間を再現するのが詩であるとされる (第二章 1448a1)。本書の訳は、松本・岡に従う。
  • 14 ここでアリストテレースは、韻文で語るか否かによって歴史と詩が分かれるわけではない、むしろ重要な違いは何を語るかなのだと述べるが、いわゆる「歴史書」と呼ばれるものは、通常散文体で書かれている。松本・岡によれば、「しかし、逆に韻律で書かれたものが全て文学というわけではない。アリストテレースによれば、同じ韻律で作られたものが文学であるかそうでないかを見分ける基準は、それが人間の行為のミーメーシス(模倣・再現)であるかどうかという点にある」と説明されている。この具体例として、前五世紀にヘクサメトロスで書かれたエムペドクレースの詩を例に挙げ、「これは哲学であって、文学ではない」と述べる (p.314) アリストテレースの言葉によれば、エムペドクレースは「自然学者(φυσιόλογος)」と呼ぶ方がふさわしい (1447b) とのこと。
  • 15 Cic. Off. I.23: verba sint ducta, credamusque, quia fiat, quod dictum est, appellatam fidem. 中務・高橋(1999) p.141 注 (7) 参照。
  • 16 例えば、約束者の命や身体の安全に反するような約束は守らなくて良い、利益を得る条件として公衆の面前で恥ずべき行為を行うというような約束は、むしろ利益を捨てるという形で約束を反故にすることはあり得えるとされる (3.93)。
  • 17 約束を守るべきではない例として、3つの神話が挙げられる。1. パエトーンの神話:息子パエトーンの願いをなんでも叶えると約束したが、それによって結局息子は死に、父神も嘆くことになった。2. ヒッポリュトスの神話:父は猜疑心から息子ヒッポリュトスの死を願い、神がこの願いを叶えたが、結局息子は無罪で父は息子の死を嘆くことになった。3. イーピゲネイアの神話:父は神にその年生まれた最も美しいものを犠牲として捧げると約束したが、結局自娘イーピゲネイアを犠牲とすることになってしまった (3.94-95)。
  • 18 しかし、この逸話の典拠ははっきりわかっておらず、後世のローマ側による創作とも考えられており (Cf. Encyclopedia Britannica)、やはり「ミーメーシス」の一形態であると考えられる。キケローの述べるレーグルスの fides については、本書の第1章1参照。
  • 19 Morgan (2015) は、pistis / fides の関係が文学で描かれるのは、「危機や決定の瞬間として登場する場合」であることが多いと指摘しており (p.75)、文学が扱う内容の傾向に関する分析は説得的である。ただし、Morgan がここで「文学 (literature)」として言及する対象は、聖書が中心である。それ以外の古典のテクストに関しても、ほとんどが法律・歴史・哲学・修辞学に関する「散文」が対象となり、「韻文」は数例しか対象としていない。従って、本書はそれとは違うアプローチを取っている。
  • 20 小叙事詩は叙事詩のパロディであるが、厳密な意味で叙事詩とは別ものである。小叙事詩に関する概説については、高橋編著 (2008), pp.161-163; 逸身, pp.160- 172 参照。
  • 21 この章で扱う論考は、どちらも過去に発表した宮坂 (2011、2015) の論考を基に、再度考察し直し、修正を加えたものである。
  • 22 ここで記載する題名の邦訳は西洋古典叢書『ローマ喜劇集』1-4(京都大学学術出版会)に従う。ただし、章や節の見出し以外では、作品名は OLD に記載の省略記号のみで示す。
  • 23 この章で扱う論考は、宮坂 (2004) で行った C.64 の分析を前提としている。本書では fides に着目することが本旨であるため、詩中で用いられる指摘技巧の全てについて詳細に説明することは避けた。従って、詩全体に配置された「仕掛け」としての技巧の詳細な分析については、上記の前提論文を参照されたい。
  • 24 この章の Rud., Mil. に関する論考は、過去に発表した宮坂 (2020、2022) での論考を基に、再度考察し直し、修正を加えたものである。

索引

本索引は、本書における議論の構造を反映した概念索引であり、各語の単純な出現箇所ではなく、当該概念が主題的に論じられている箇所を示したものである。

  • あ行
    • アエネーアース 41–78, 142 注194, 223
    • アリアドネー 104–124
    • iustitia 11, 15, 28, 128
    • virtus 105–107, 114, 123–124, 139 注171, 注174, 191
    • ウェルギリウス 41–91, 142 注194, 222
    • 裏切り 45–57, 82 注71–72, 88 注118
    • エウアンドルス 58, 60–75, 84 注91, 88 注118, 89 注124–125, 90 注134, 142 注194, 223
  • か行
    • 葛藤 15–16, 104–105, 117, 223
    • カトゥッルス 95–145, 223–224, 229–245
    • キケロー 11, 15, 28–30
    • クセノス(ξένος) 59, 85 注93
  • さ行
    • シーリウス・イタリクス 27–40, 222
    • 仕掛け(詩作上の) *詩的技巧が含まれる、つまり読者の注意を引いて立ち止まらせるためのもの
      • 87 注114, 98–100, 104–113, 115–117, 121–130, 132–133, 171, 186–187, 189, 199, 209 注277, 注279, 210 注283, 注285, 211 注286, 212 注294, 注296, 213 注299, 注300, 注301, 注304, 注305, 215 注311, 注312, 注313, 注316, 216 注318, 注319, 217 注320, 注321, 注323, 218 注324, 注327, 注328, 注329, 219 注332, 注333, 注334
    • ジャンル 13–15, 17, 21, 126–130, 134 注146, 135 注147, 203 注236, 注237, 204 注245, 注246, 205 注247, 206 注251, 注252, 注254, 注256, 208 注271, 209 注276, 注277, 注279, 注280, 210 注282, 注283, 注284, 注285, 211 注287, 注288, 注290, 注291, 212 注292, 注293, 注294, 213 注304, 注305, 214 注308, 注309, 215 注311, 注313, 注315, 217 注321, 注323, 218 注327, 注329, 219 注330, 注331, 注332, 注333, 注334, 221–225
    • 常套 13–14, 17–18, 95–100, 133, 152, 169, 199, 222, 226
      • ―常套の踏襲 13–14, 44, 48, 95–100, 106, 154–157, 165, 179, 201 注223, 212 注294, 218 注327, 219 注330, 注331, 注332
      • ―常套からの逸脱 13–14, 18, 82 注76, 95–100, 104–113, 121–123, 126–133, 137 注160, 144 注209, 165, 199, 202 注229, 219 注332, 223–224
    • 標(σύμβολον / tessera hospitalis) 59, 85 注97, 注98
    • ストックキャラクター 150, 200 注216, 215 注311
    • 誓約・保証 12, 15, 20, 22 注16, 注17, 47, 248–249
    • ゼウス・クセニオス(Ζεὺς ξένιος) 59, 81 注66, 85 注94, 207 注262
    • servus callidus(賢い奴隷) 158–159, 164, 166–169, 171–178, 184, 187–188, 190–191, 193, 195, 219 注332
    • 選択 16, 55–57, 117, 223
    • 装置(文学的) *語りの枠組み・構造
      • 31, 101–105, 108–110, 126–127, 129–130, 132–133, 135 注150
  • た行
    • 知識の非対称性 55–57, 123–124, 126–127, 130–131, 166, 169, 171–178, 183–191, 145 注211, 215 注312, 注316, 217 注321, 225
    • ディードー 35, 43–57, 76, 223
    • テーセウス 104–107, 110–116, 119–120
    • トゥルヌス 70–74
  • な行
    • 認知 (ἀναγνώρισις, anagnorisis) 161, 169, 183, 194, 198, 207 注265, 215 注312
  • は行
    • Heinze 249–250
    • パッラース 58, 61, 67–77, 86 注102, 87 注114, 88 注118, 89 注125, 注126, 90 注134, 142 注194, 223
    • Benveniste 251–252
    • pietas / pius 41–43, 72–74, 77, 78 注47, 83 注81, 89 注126, 90 注130, 91 注138, 127–128, 149, 223, 250
    • 評価の反転(皮肉) 35, 38, 55–57, 83 注83, 106–107, 114–115, 117, 123–124, 126–127, 131–133, 139 注172, 注174, 143 注200, 145 注215, 170–178, 197, 212 注296, 223, 225
      • ―悲劇的皮肉 (dramatic irony) 45, 55–57, 84 注87, 131–132, 145 注211, 223
    • fides 11–14, 16–17, 28–37, 45–74, 76–78, 90 注134, 注135, 91 注138, 104, 128, 131–133, 142 注194, 152, 155–157, 159–160, 162–166, 171–179, 184–195, 197–199, 203 注237, 204 注245, 205 注247, 注249, 206 注252, 207 注260, 注266, 208 注267, 注270, 注272, 209 注279, 211 注291, 215 注315, 216 注317, 217 注321, 注323, 218 注326, 注327, 219 注335, 221–227
      • ―概念史研究 12–13, 15, 247–252
      • ―文学的モチーフとしての 11, 13, 31–36, 38, 42–43, 77–78, 133, 155, 163–165, 171–179, 181, 184–199, 203 注237, 204 注245, 205 注247, 206 注252, 207 注262, 211 注291, 214 注309, 215 注315, 216 注318, 注319, 217 注320, 注323, 218 注324, 注327, 注328, 221–227
      • ―作家と受け手の間の 13, 17–18, 19, 20 注9, 注11, 38, 74, 95–96, 98, 126–129, 147–150, 152, 165, 179, 182–184, 197, 200 注217, 202 注227, 206 注259, 207 注261, 221–222, 224–227
        • ――受け手の期待に応えること(A)
    • 13, 95–98, 100, 126–129, 133, 152, 165, 179, 180–182, 193, 195–196, 197, 199, 202 注227, 注228, 注229, 注230, 219 注330, 222, 224–227
      • ――受け手を楽しませること(B)13–14, 19, 37–38, 74, 95–100, 103–106, 108–113, 123–129, 132–133, 136 注153, 141 注188, 143 注197, 151–152, 158, 165–166, 168–169, 170–173, 177–179, 184, 187, 189–190, 196–197, 199, 202 注227, 注229, 注230, 206 注256, 209 注277, 210 注282, 211 注290, 212 注294, 215 注316, 217 注321, 注323, 218 注327, 219 注330, 注332, 注334, 222, 224–227
      • ―人的紐帯(媒介としての) 16, 31–36, 38, 43–57, 59–75, 104–107, 131, 142 注194, 163–164, 178–179, 184–199, 205 注249, 207 注260, 注266, 208 注267, 注269, 注270, 注271, 注272, 212 注293, 214 注307, 215 注314, 216 注319, 217 注320, 218 注326, 218 注327, 219 注335, 220 注336, 223–224, 226, 247–252
        • ――主客関係 (hospitium) 44–52, 58–64, 70–73, 77, 81 注66, 注67, 注68, 82 注74, 83 注80, 84 注91, 85 注94, 注95, 注96, 注97, 注98, 86 注100, 注104, 87 注108, 注110, 注112, 注114, 89 注124, 注125, 116, 142 注194, 212 注293, 223
        • ――盟約関係 (foedus) 20 注5, 44, 58, 61–75, 77, 81 注67, 84 注91 86 注100, 注104, 87 注111, 注112, 89 注124, 90 注129, 注134, 223
        • ――クリエンテーラ関係 (clientela)156–157, 163–165, 184, 188–189, 198, 205 注249, 注250, 208 注267, 注269, 注270, 注272, 218 注327, 224, 249–251
        • ――主従関係 (dominium) 159, 166, 172, 178–179, 181, 183–198, 207 注266, 216 注319, 217 注320, 224–225, 251
        • ――同宿共同体(contubernium) 66, 84 注92, 87 注113, 88 注118
        • ――婚姻関係 (coniugium) 34–35, 45, 47–52, 55–57, 81 注70, 82 注74, 101, 112–115, 124–128, 164, 208 注271, 209 注274
        • ――恋愛関係 (amor) 44–56, 82 注74, 109–124
        • ――友人関係 (amicitia) 179, 187–193, 195, 198, 219 注335, 220 注336
        • ――右手の誓い (dextera) 32, 44, 46, 49, 60, 63–64, 66–67, 70–71, 81 注68, 注69, 82 注76, 85 注95, 86 注100, 注102, 87 注107, 注114, 89 注124, 188, 218 注326, 注327
        • ――重層的な関係(同一人物間) 45–56, 82 注74, 181, 194, 198
      • ―規範的様相 12, 22 注16, 注17, 28–30, 37, 39 注31, 44, 159, 192, 195–196, 199, 205 注249, 208 注267, 注269, 注270, 214 注310, 215 注315, 216 注317, 221–225, 247–252
      • ―危機 16, 22 注19, 34–38, 48–57, 67–71, 104–105, 111–118, 131, 222–223, 252
      • ―違反 16, 69–70, 76–77, 88 注119, 90 注134, 104–105, 111–119, 131–132, 142 注194, 156–157, 160, 162–165, 223–224, 226
      • ―反する存在(perfidus, infidus) 31, 34–35, 38 注26, 44–45, 47–57, 79 注55, 81 注64, 注69, 84 注88, 88 注119, 107, 111–119, 123, 125, 128, 131–132, 137 注174, 152, 155, 164, 204 注245, 214 注310, 215 注315, 222–224
      • ―重層性 *異なる相手へのfidesが同時に要請され、両立不可能になる状態
      • 31–36, 38, 104–105, 159, 166, 169, 171, 176–178, 225
      • ―神々の 105, 119–125, 128, 131–132
      • ―人間の 105, 114, 111–128, 131–133
      • ―女神Fides(信仰・儀礼) 11–12, 20 注4, 注6, 33, 249, 251–252
    • Freyburger 251–252
    • プラウトゥス 147–220
    • Fraenkel 12, 247–249
    • beneficentia 11, 28
    • Hellegouarc'h 249–251
  • ま行
    • マルキア(レーグルスの妻) 31–36
    • Morgan 22 注19, 252
  • や行
    • 約束 14–15, 22 注16, 注17, 28–29, 34, 55, 58, 62, 64, 68–69, 74–75, 87 注112, 90 注134, 105 112–114, 123, 142 注191, 162–165, 176, 183, 187, 190–191, 195, 207 注266, 249
  • ら行
    • レーグルス 15, 28–38, 78, 222
    • leno 152–157, 159, 162–165, 168, 180, 198, 202 注227, 204 注242, 205 注247, 224